構造設計:円酒昂構造設計  照明協力:大光電機

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地形の改修  建設会社新社屋

長崎県諫早市/事務所/2018年計画中

敷地は長崎県諫早市。県内の主要幹線道路の一つである国道57号線(1日の交通量約25,000台:2015年国交省調べ)に面し、Jリーグチームの本拠地スタジアムにも近接しており、市民はもとより周辺地域の県民も頻繁に往来する場所である。視認性も高い。そのような場所に建設会社の新社屋を依頼された。


その交通量の多さや視認性の高さから、オフィススペースだけでなく不動産の窓口や注文住宅の商談スペース、または住まいに纏わるショップやカフェ等への展開可能性もあるため、ある種の公共性とオフィスのプライバシー性が同居するようなプログラムであった。


この敷地は断面に特徴があり、敷地ほぼ中央に1.2mの段差があり、道路から見て奥側が基壇のような格好になっていた。既存建物はこの基壇の上に建っていたのだが、上記のプログラムを考慮したとき、この基壇形状や階段位置をそのまま内部化し、1.2mの高低差で公共性からプライバシーまで程よい距離感で展開していけるのではないかと考えた。


元々は既存の鉄骨建物を改修利用することからこの計画はスタートした。その後既存不適格であることが判明し既存建物の改修利用に合理性が無くなってしまったのだが、地形そのものはその形状を維持したまま新たな価値を見いだせそうである。その経緯から、このプロジェクトは建物の改修から「地形の改修」に置き換わったようなものだと捉え、地形そのものが持つポテンシャルを建築化することを目指して計画を進めている。


なお、「地形の改修」という視点はあたご保育園でも似たような視点を持って検討されており、特徴的な地形が多い長崎の地では特に有効な視点となり得るかもしれない。近年、特に公共施設において必須のように求められるようになった段差の解消/バリアフリー化の流れに逆らうかのように、このような土地では既に断面操作を行う合理性・必然性を孕んでいるのである。